「写真の力」に込めた想い~瞬間を探して~(滋賀県長浜市・森岡さん)

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こんにちは、マチイロです。12月から始めました待望の新企画「広報担当インタビュー」。第二弾の今回、お話を聞いたのは、地元の自然や景色、祭りなどの風物を鮮やかなカラー写真で紹介している滋賀県長浜市の「広報ながはま」担当の森岡さんです!

「この写真、スゴい」「心安らぐ~」「キレイ」「撮影場所を教えて」――。「広報ながはま」の表紙を飾る写真にはこんな感想や問い合わせが寄せられています。長浜市は、1枚でも人を動かす力を持つ写真を活用した住民参加型のまちづくりを目指しており、広報紙の写真がまちづくりのリード役です。森岡さんに写真へのこだわりや撮るための工夫、まちづくりついてお話を伺いましたよ。
それではご覧くださ~い♪

カメラ歴20年余 広報表紙は2015年春から

――まずはこれまでの経歴と自己紹介をお願いします!

森岡賢哉(けんや)と申します。12月で43歳になりました。1995年、合併前の湖北町に一般行政職として入庁しました。

戸籍などの窓口業務の経験が長かったおかげで、人と話をするのが好きになりました。平成の大合併で2010年1月、長浜市と湖北町など1市6町が合併して新「長浜市」が誕生するんですが、私自身は湖北支所でそのまま働き、財産管理や選挙など幅広く仕事をしていました。2015年4月から現在の市民広報課勤務になりました。

――「広報ながはま」は表紙写真が毎号とても魅力的ですね。毎回見とれてしまいます!誰が撮ってるんですか?

15年4月15日号以降は、ずっと私が撮影した写真を表紙として使ってもらっています。土日のほかにも夜明けや夕方、撮影に出かけることもあります。以前とは違って、公務員らしくない時間に働いています。(笑)

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――なるほど、あの魅力はハードーワークの賜物なんですね。ところで、カメラは誰かから習ったのですか?

湖北町時代、同じ職場だった広報担当の先輩から写真撮影の楽しさを教わり、自分で一眼レフを買ったのが始まり。かれこれ20年前のことです。

撮り方は誰かに教わった訳ではありません。我流です。雑誌とか先輩の写真を見て、カメラやレンズを買い替え、撮り方を調べたり、試しに撮ったり、色々と試行錯誤しました。アングルやコントラストなど細かな苦労や工夫はありますが、見た瞬間に惹きつけることができる写真になるよう努力しています。

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瞬間で訴え じっくり感じ取る写真を

――キレイな表紙写真と広報紙に込められた想いを語ってください!

自治体が発行する広報紙は、行政から住民へのお知らせという一方通行になりがちで、市民がなかなか手に取ってもらえません。特に若年層に購読者が少ないのが実態です。そこで、身近な風景や風物を違った角度から撮った「写真の力」で広報紙を手に取ってもらうおうと、表紙の写真に最大限の力を入れています。

自然や風景は季節や時間によって表情が全く違います。地元の見慣れた風景も、「えっ!いつ、どうやって、撮ったの?」と、読者の心を引きつけ、「自分はこんな素晴らしい長浜に住んでいるんだ」と感じてもらえるよう、願いを込めて撮っています。写真には瞬間で訴える力とともに、じっくり見ても何かを感じ取ってもらえる力があると思うんです。

――手に取ってもらえない悩みは、全国の広報担当者に共通の悩みのようですね。撮影の裏話や苦労話があれば教えてください!

月2回発行し、特集取材やお知らせの編集作業などがほとんどで、表紙の写真撮影に取り組めるのはせいぜい1~2日。このため、普段から市内を回る際、「この場所は秋になるときれいだろうなあ」とか、「夕方になると、こちらから光が差すので、美しい写真になるだろう」などメモをしています。いつもそのメモを読み返して、表紙の写真撮影に出かけます。季節にあった10~15枚位の中から課員と話し合って、これぞという1枚を選び出しています。

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長浜の最新の状況を伝えたいという思いから、表紙の写真は仕事の最後。締め切りぎりぎりまで引っ張ります。天気とかも関係あり、綱渡りですが、住民の方の反応がうれしくて、楽しく仕事しています。走り続けている感じです!!

――その渾身の1枚を撮影した際の印象に残る出来事を教えてください!

今年9月1日号の表紙はペルセウス座流星群を狙いました。5~10分に1回は肉眼で見えるんですが、なかなかレンズの枠に収まらない。唯一、大きな流れ星が撮れた直後、空が雲で覆われました。一瞬のチャンスでした!

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昨年9月1日号は木之本町の地蔵坂で、長野県から一人旅で来た女性に出会い、モデルになってもらいました。木之本地蔵は眼や延命息災の仏様として古くから信仰を集めるところ。旅人の感想から、地元の良さを再発見させてもらいました。

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住民もカメラを手に地域を再発見

――長浜市は広報の写真のほか、写真を通した住民参加型のまちづくりを進めていると聞きました。どんな取り組みなんですか?

1枚でも人を動かす力を持つ写真をまちづくりに取り込もうと、長浜市はプロの写真家やメーカーと連携して、地元の魅力を再発見する「長浜ローカルフォトアカデミー」を2016年度から始めました。

市内には北国街道など古い町並みや寺社、琵琶湖畔など写真の被写体が多く、訪れる写真愛好家も多いんです。そこで、住民の皆さんがカメラを手にまちを歩き、人と話し、良いところを見つけて、写真を撮って、自分でPRしてもらおうと考えました。私も写真愛好家の一人として協力させていただき、少しでも力になればと思っています。

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――想いのこもった写真をPRするためにインスタグラムなどSNSの新たな展開も見事ですね!

フェイスブックは「長浜市ほっとにゅ~す」「HELLO NAGAHAMA」など九つのアカウントがあり、ほぼ毎日更新しています。賛同を示す「いいね」が今年10月3000回を数えるなど反響が大きく、市民から「見てるよ」と声もかかります。

スマートフォンで写真を共有するアプリ「インスタグラム」は、広報の表紙に撮ったものの使わなかった写真を「♯長浜ちょぴっく」として紹介しています。海外の人にも、京都や奈良だけではない日本の魅力を伝えられる有効なツールだと思います。

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――先日、長浜曳山祭りがユネスコの世界遺産に登録されましたね。おめでとうございます!それも含めて、最後に長浜のPRをお願いします。

滋賀県の北東部に位置する長浜は、豊臣秀吉が築いた長浜城をはじめ伝統と歴史の深い町です。また、長浜は市内に多い観音様への信仰が厚い土地柄で、信仰とともに人々の気持ちが温かいところだと思います。

今では市民の皆さんから様々なご要望もいただくようになり、その声がいくつか実現し始めています。まずは、広報の写真を使って写真展と絵はがきです。写真展は1月中旬から市内のカフェなどで開きます。表紙の写真約30点を額に入れて展示し、以降も市内を巡回展示します。絵はがきは8種類作って販売する予定です。

個人的には広報を離れてもライフワークとして写真を続けて行きたいし、写真を通じて長浜をもっともっとPRするつもりです。

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取材:読売新聞西部本社 Copyright (C) The Yomiuri Shimbun.